海洋深層水の取水と影響
11 月 8th, 2008 by kaiyou
海洋学者の研究によると、深層水を1日数千トン単位で取水しても、北欧のフィヨルドや狭い湾など閉鎖性の海域でない限り、環境への悪影響はないとされています。
自然に影響を及ぼすのは取水よりも利用後の排水の影響の方が問題となります。
ノルウェーでは魚の養殖に深層水を利用しようとしていたが、フィヨルド内の海水の入れ替わりに10年前後かかることから中止とした。
また、深層水の取水は、サイフォンの原理によりエネルギーを使わずに行うのが一般的であり、CO2の排出を伴わない。
これは自然界で行われる湧昇現象と類似しています。
日本国内の取水施設は11都道県19施設もあるが、取水施設の整備コスト面では陸地から急激に深くなる海底地形の方が取水管の設置距離が短くなり初期投資コスト面で有利になることから、取水地は島(新潟県佐渡島、沖縄県久米島、鹿児島県甑島)や半島の先端(高知県室戸、神奈川県三浦、北海道羅臼)に設置される場合が多いです。
例外としては、3千メートル級の立山連峰からの急峻地形が海底1千メートルまで続いている、富山湾に面した富山県滑川市や同入善町や、同じく急峻地形の駿河湾に面した焼津市が平野部に立地しています。
これらの立地条件は、企業や一般人が取水施設を利用しやすい都市部が後背地としてあるかないか、交通インフラへのアクセスの良否による製造した深層水製品の消費地への輸送コストの増減といった事柄に影響することから、深層水の産業利用の成否を握ることになると思われます。